活躍する同窓の姿

株式会社 城山 代表取締役社長 安藤 和正 氏

 無線機事業の分野で安全で安心な社会づくりに貢献されている安藤社長の会社に昨秋、訪問させていただき、無線事業の全国展開の様子やスポーツとの関係など、たくさんのお話を聞かせていただきました。現在、安藤社長は、兵庫陸上競技協会の副会長としてもご活躍中です。
  この度、安藤社長の人財育成への思いについてご寄稿いただきました。 5月29日 ~30日の両日、安藤社長は、母校の日体大にて学生の将来への展望に向けたご講義をされています。ご寄稿いただいた下記の文面からも安藤社長の熱い思いが伝わって来ます。

人財育成について

 人は皆、生まれ・育った環境は違います。考え方・発言や行動が違うのも当然のことです。
その人達が会社やグループ等社会の同じ土俵に登り「さぁ、一緒にやりましょう。」と言う。こんなにも難しいことはないのです。これは私の根本にある考え方です。
 人は、人を評価するのに、能力やスキルに重きを置きがちですが、私はそれ以上に、その土台となる「人格」、「人間力」をどう育てていくかが人財を育成するうえで肝になると考えています。多くの人は、能力を高めることやスキルを磨くことに力を注ぎますが、「人格」、「人間力」を育むことを疎かにしがちです。
 小学校から大学までの期間はわずか12年間ですが、そこから社会へ出て働く期間は40年以上あります。その期間があれば、遅かれ早かれ、能力やスキルは先輩から継承することができます。
 一方、「人格」、「人間力」は期間があれば継承できるものではありません。人に寄り添い、考えまた自らも考えさせて、一つ一つ積み上げて創造していくことになります。
 また、人財育成において重要なことは、内発的動機を芽生えさせることです。これはすなわちモチベーションです。対義語として外発的動機があります。最も分かり易い例はお金です。お金にはモチベーションとしての瞬発力はありますが、持続性はないと考えています。
 私は、人財育成にあたり、内発的動機を高めることを主とした指導を行っています。どんな仕事でも、社会には必要とされており、それは皆が共存していくためにあるもので、一つの仕事は他の仕事につながり、さらにそれらがつながって世の中は動いています。そして社会が成り立っているのです。ですから、自分一人の考えや都合だけでその仕事を左右することは、ただの自己満足にしかすぎません。自分一人でできることはたかが知れているのです。自分の仕事は自分のものであって、同時に自分のものではない、ということです。それが社会に貢献し働くということだと考えています。
 これを具体的に弊社の事業に落とし込み、繰り返し、繰り返し話をしています。1つの例として、スポーツイベント事業です。昨今の市民マラソンでは2万人~3万人が参加しています。そのイベントを支える各種運営のなかの通信設計を弊社は請け負っています。
 統計学上、マラソン大会ではランナー10万人に対し0.54人は心停止するということが分かっています。他にも、大会中に突然地震が発生したら…、テロが発生したら…、とリスクは限りなく存在します。
 弊社は、各大会に通信網の設計(誰と誰が情報を同時に共有するべきなのか)から、大会規模に見合う通信機器を提供することにより、健全な運営が成り立つよう縁の下の力持ちとなっています。こういった重要な役割を担う会社、そしてそれを構成している社員個々に「有用感」を与えることが何よりも大事です。「我々の仕事は人の命を預かっている。誇りを持って仕事をやろう!」
 この「有用感」を持つ機会が多ければ多いほど、仕事へのやりがいすなわちモチベーションにつながり、それ以上に人は成長する事に対して貪欲になると感じています。また、個々人の成長なしに会社の成長などあり得ません。会社の繁栄もあり得ません。経営は言い換えれば「継栄」なのです。
「人間力」こそが全てを創り出す源と考えています。

安藤 和正 氏 略歴
  • 1994年 日本体育大学卒業
  • 卒業後 相生高校・福崎高校にて非常勤講師
  • 1997年 城山電子株式会社(現城山) 入社 営業部配属
  • 2018年 株式会社 城山 常務取締役
  • 2019年 株式会社 城山 代表取締役社長

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